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// Space Telescope · NASA / ESA · 1990-037B

ハッブル宇宙望遠鏡
HUBBLE SPACE TELESCOPE

ハッブルは、1990年から低軌道で宇宙を見続ける2.4m宇宙望遠鏡。失敗した鏡を宇宙で直し、暗黒エネルギーから系外惑星大気まで、天文学の標準装備になった。

2.4m
主鏡
5
サービスミッション
1990
打上げ
運用中🇺🇸 NASA・ESA宇宙望遠鏡

01基本情報

大気ゆらぎの外へ出た、可視・紫外・近赤外の汎用天文台。

開発・運用NASA / ESA STScIが科学運用
打上げ1990年4月24日 スペースシャトルDiscovery / STS-31
状態運用中
目的宇宙の構造、星・銀河・惑星の観測
望遠鏡2.4 mリッチー・クレチアン式
軌道低軌道 NASAはHubbleをLow Earth Orbitと紹介
観測波長紫外、可視、近赤外
主機器WFC3 / ACS / COS / STIS / FGS

02ミッション

宇宙望遠鏡の価値は、地上大気の外で安定した光を集め続けることにある。ハッブルはその価値を、故障からの復活で証明した。

なぜ宇宙に望遠鏡を置くのか

地上の望遠鏡は大気のゆらぎ、吸収、昼夜、天候に影響される。ハッブルは大気の外から同じ条件で観測し、紫外線や高精度の可視画像を得る。口径だけなら地上大型望遠鏡に負けても、宇宙空間の安定性が科学性能を作る。

修理できる設計

ハッブルはスペースシャトルで訪問されることを前提に設計された。機器交換、ジャイロ交換、太陽電池パドル更新、光学補正が宇宙空間で行われ、望遠鏡は何度も若返った。宇宙機としては珍しく、人が手を入れることで寿命を延ばした天文台である。

一枚の画像が研究計画になる

ハッブル・ディープ・フィールドのような長時間露光は、何もなさそうな空を深く見れば遠方銀河が大量に現れることを示した。美しい画像は広報素材であるだけでなく、宇宙の歴史を統計的に読むデータセットになった。

宇宙論から系外惑星まで

ハッブルは宇宙膨張率の測定、暗黒エネルギー研究、銀河進化、星形成、太陽系天体、系外惑星大気まで観測してきた。NASAは、Hubbleが宇宙理解を根本的に変えた代表的観測装置だと位置づけている。

  1. 1990-04-24
    打上げ
    スペースシャトルで低軌道へ。
  2. 1993
    第1回サービスミッション
    光学補正装置と新カメラで視力を回復。
  3. 2009
    最後のサービスミッション
    WFC3などを搭載し、現代的観測力へ更新。
  4. 2020s
    運用継続
    Webb時代にも可視・紫外の基幹望遠鏡として働く。

03エピソード

ハッブルは「宇宙で直せる設計」が、失敗を名機に変えた例である。

主鏡のわずかな誤差が国家的な失敗になった

打上げ後、ハッブルの画像は期待ほど鋭くなかった。主鏡に球面収差があったためである。問題は望遠鏡そのものの評判を傷つけたが、修理可能な設計だったことが決定的だった。

宇宙で眼鏡をかけた望遠鏡

1993年のサービスミッションでは、補正光学系と新しいカメラで主鏡の誤差を打ち消した。地上で作った「眼鏡」を宇宙で取り付けたような手術で、ハッブルは一気に象徴的な天文台へ変わった。

関連資料: NASA Hubble history

空っぽの一点を何日も見る

ハッブル・ディープ・フィールドは、目立つ天体がない空を長時間見続けた観測だった。結果として、遠方銀河が画面を埋めた。望遠鏡の力だけでなく、「何もない場所を信じて見る」という観測戦略の勝利でもある。

関連資料: NASA Hubble science

Webbの時代でも役割は消えない

JWSTは赤外線で強力だが、ハッブルは可視・紫外で独自の領域を持つ。同じ天体をHubbleとWebbで見比べることで、星形成、塵、熱いガス、若い星を分けて読むことができる。

04軌道

低軌道から地球を約90分スケールで周回する概念図。地球と軌道の距離は見やすく誇張。

EARTHHubble

05搭載機器

WFC3 / ACS

広視野カメラ

可視・紫外・近赤外画像で銀河、星形成、太陽系天体を撮る主力。

COS / STIS

分光器

光を波長に分け、ガス、星、銀河、系外惑星大気の物理を読む。

FGS

精密誘導センサ

観測中の姿勢を安定させ、シャープな星像を支える。

06設計

ハッブルの設計の核心は、望遠鏡としての光学性能だけでなく、軌道上で人が機器を交換できることだった。シャトル時代の宇宙機らしく、手すり、交換可能なモジュール、サービス用のアクセスが設計に入っている。

サービス性が寿命を作った

通常の衛星なら主鏡問題は致命傷だったかもしれない。ハッブルは訪問修理を前提にしていたため、故障や劣化がそのまま終わりにならなかった。

宇宙望遠鏡の標準形

大口径鏡、精密姿勢制御、複数機器、地上の観測提案制度。ハッブルは、現代の宇宙天文台がどう使われるかのモデルにもなった。

08資料

  • NASA Hubble mission page
    状態、打上げ、目的、低軌道、科学的意義を確認。 · NASA Science
  • HubbleSite
    画像、ニュース、ミッション資料。 · HubbleSite
  • ESA/Hubble
    欧州側のミッション・画像アーカイブ。 · ESA/Hubble