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// Copernicus optical imaging · ESA / EU · 2024

Sentinel-2C
COPERNICUS SENTINEL-2

Sentinel-2Cは、欧州Copernicusの高分解能マルチスペクトル衛星。農地、森林、水域、災害域を13バンドで撮り、無料公開データとして世界中の解析に使われる。

13
スペクトルバンド
10m
最高解像度
290km
観測幅
運用中🌐 ESA・Copernicus地球観測衛星

01基本情報

Sentinel-2A/Bの観測を継続し、Copernicusの光学観測データ列を更新する。

開発・運用ESA / European Union Copernicus
打上げ2024年9月5日 Kourou, French Guiana
ロケットVega 基本型Vegaの最終飛行
状態運用中
軌道太陽同期軌道 Sentinel-2 constellation
解像度10 m / 20 m / 60 m
観測幅290 km
再訪5日 2機体制時の赤道域目安

02ミッション

Sentinel-2は「色を見る」地球観測衛星である。人間の目に近い可視だけでなく、近赤外・短波赤外で植生、水、土壌、火災跡を読む。

土地被覆を継続して見る

農地の生育、森林のストレス、洪水範囲、山火事後の焼失域、都市の拡大は、複数波長の反射率で見分けられる。Sentinel-2Cはこのデータ列を引き継ぎ、同じ形式で継続的に提供する。

広い観測幅と高頻度

ESAはSentinel-2の特徴として、13バンド、10 m級解像度、290 km観測幅、5日再訪を掲げている。広く撮れるので、災害時の広域把握と農業の定期監視の両方に向く。

公開データの力

Copernicusの強さは、衛星そのものだけでなく、無料で使えるデータ流通にある。Sentinel-2の画像は研究者、行政、企業、災害対応者が同じ基盤から利用できる。

色を増やすと地表の意味が増える

人間の目に見える赤・緑・青だけでは、健康な植生、湿った土壌、濁った水、焼失域を十分に分けられない。Sentinel-2のMSIは近赤外や短波赤外を含む13バンドで地表反射を測り、植生指数、焼失域指数、水域抽出などの解析へつなげる。

継続性がCopernicusの強さ

Sentinel-2Cは単なる追加衛星ではなく、Sentinel-2A/Bで作ってきたデータ列を継続するための後継機である。農業や森林管理では、同じ地域を何年も同じ形式で見続けることが重要になる。継続性があるから、変化が変化として読める。

光学データを止めない後継機

Sentinel-2Cは、単体の新規性よりもCopernicusの光学データ列を止めないことが重要な機体である。農業、森林、災害、水域監視では、データが突然途切れること自体が実用上の損失になる。

MSIの13バンド、290 kmの広い観測幅、標準プロダクト配信は、衛星本体と地上データ基盤が一体で設計されていることを示す。衛星画像を撮るだけでなく、誰もが同じ処理済みデータを利用できることがCopernicusの強みである。

  1. 2015-06-23
    Sentinel-2A打上げ
    Copernicusのカラー地球観測が始まる。
  2. 2017-03-07
    Sentinel-2B打上げ
    2機体制で再訪頻度を高める。
  3. 2024-09-05
    Sentinel-2C打上げ
    Vega最終飛行でCopernicusファミリーへ加わる。
  4. 2024-09
    軌道上初期確認
    打上げ後、衛星バスとMSIの状態確認を進め、Copernicusデータ列への参加準備を行った。
  5. 2024-2025
    初期画像と較正
    観測画像の品質確認と較正を行い、既存Sentinel-2データとの整合性を確認した。
  6. 2025
    運用継承
    Sentinel-2Aからの役割移行とデータ継続が進む。
  7. 2025以降
    Sentinel-2世代交代
    Sentinel-2A/Bで築いた観測サービスを、C/D世代へ継続する役割を担う。

03エピソード

打上げ、初画像、月面校正という三つの実作業から、観測記録を次世代へ継ぐまでを追う。

地上リンクを直し、最後のVegaを送り出す

Sentinel-2Cの打上げは地上系の電気リンク不具合で24時間延期された。観測記録の空白を避けたい一方、基本型Vegaの最終飛行を通信が曖昧なまま急ぐことはできない。チームはリンクを復旧して2024年9月5日03時50分(中央欧州夏時間)に打ち上げ、約57分後に分離、さらに14分後に最初の信号を受信した。衛星とロケット、二つの世代交代を確認可能な順序で完了させた。

公開前の画像が、火災の熱を先に示す

打上げからわずか一週間後の2024年9月12日、Sentinel-2Cはロサンゼルス南方のAirport Fireを撮像した。新機体はまだ三か月の軌道上校正期間に入り、利用者向け配信を始められない段階だったが、13帯域の短波赤外・近赤外を組み合わせると焼失域と活動中の火点が分離した。初画像の品質が予想を上回ったため、地上校正が実際の災害観測へつながることを早い段階で確かめられた。

伸びた月を直して、地球の色を守る

2024年9月20日、運用班は地球指向のSentinel-2Cを横へロールし、約5 km解像度で月を撮った。衛星と月の相対運動で生データの月は細長い食の形に歪み、そのままでは感度変化と像運動を取り違える。処理で歪みを補正し、明るさが長期安定した月を月一回の基準にしたことで、光学膜の劣化や検出器ドリフトだけを見分け、地球画像の放射精度を運用期間中に補正できるようにした。

04軌道・コンステレーション

Sentinel-2Cは高度786 km、約100分周期の太陽同期軌道を飛ぶ。2024年のタンデム較正後、2025年1月21日に2Aから任務を継承。2Bと同じ軌道を180°離れて同方向へ周回し、単機10日の地表再訪を2機で5日に短縮する。

Sentinel-2Cと2Bの太陽同期コンステレーションSentinel-2Cと2Bが同じ太陽同期軌道を180度離れ、同じ方向・同じ周期で周回する。下段は290キロメートル幅の観測帯が地球自転で隣へ移る様子を示す。 TWO SATELLITES · ONE ORBIT · FIVE DAYS Sentinel-2C + Sentinel-2B · 同じ軌道を180°離れて周回 10:30頃の地方太陽時を保つ地球高度786 km · 周期約100分2C · 2025-01-21継承2B · 180°反対側両機は同一の周回方向・周期で、180°の位相を保つ。 地表の見え方290 km次の軌道地球自転観測帯単機10日2Bが補完2機5日高緯度は短縮 分離786 km2Aと較正任務継承2Bと5日再訪
  1. 01Vegaから分離2024年9月、基本型Vegaの最終飛行で投入。
  2. 02軌道調整高度786 kmの太陽同期軌道へ整える。
  3. 03タンデム較正2Aとほぼ同じ場を撮り、放射精度を突き合わせる。
  4. 04任務継承2025年1月21日、2Aから運用取得を引き継ぐ。
  5. 055日再訪2Bと180°の位相を保ち、同じ地域を交互に観測。

05搭載機器

MSI

マルチスペクトル装置

可視、近赤外、短波赤外の13バンドで地表反射を測る主センサ。

10/20/60 m

複数解像度

用途に応じて10 m、20 m、60 mのバンドを使い分ける。

データ配信

Copernicus配信

標準プロダクトとして公開され、解析や機械学習の基盤になる。

06設計

Sentinel-2Cは、290 km幅の光を一本のMSIへ集め、VNIRとSWIRの二つの焦点面で13バンドへ分ける。撮像だけでなく、軌道・時刻の精密決定、圧縮記録、X-bandと光通信、地上の幾何・大気補正までが同じ観測サービスを作る。

Sentinel-2CのMSI、データ、電力、姿勢、通信系統反射光を望遠鏡で集めて二つの焦点面へ分け、13バンドの画像を圧縮、記録、地上配信する流れと、電力・姿勢・軌道維持の支援系を静的に示す。290 KM SWATH → 13 BANDS → OPEN DATAMSI — 反射光を二つの焦点面へ分ける地表反射光TMA望遠鏡視野幅290 kmビーム分離Stripe filtersSpectral splitVNIR焦点面可視・近赤外4×10 m + 赤縁などSWIR焦点面短波赤外20 m / 60 m圧縮・記録13 bandsMass memoryX-bandOpticalEDRSground10 m:可視・近赤外4バンド 20 m:赤縁/SWIR 6バンド 60 m:大気補正3バンド同じ画像を同じ場所・時刻で積み上げる衛星バスSolar arrayPCDUBatteryMSI・通信・熱制御へ配電GNSS / STRAOCS姿勢アクチュエータ軌道決定推進系786 km軌道・180°位相を維持Copernicus地上系幾何補正 · 大気補正110 km tile · L1C/L2AData Spaceへ公開DESIGN TRADE290 km幅 ↔ 精密な幾何較正13バンド ↔ 分解能とデータ量継続サービス ↔ 2A/Bとの互換性

Sentinel-2Cは単独で目立つ衛星というより、継続観測システムの一部として価値を持つ。2機体制の再訪性、同じMSIデータ形式、広い観測幅を保つことで、過去画像と未来画像を自然につなげる。

10m、20m、60mを使い分ける

すべてのバンドを同じ最高解像度にするのではなく、用途に応じて10m、20m、60mに分けている。地表の形を詳しく見る可視・近赤外は高解像度、補正や大気・水蒸気に関わるバンドは別解像度で、データ量と科学用途のバランスを取る。

二機体制のリズムを守る

Sentinel-2はA/B/Cといった個体より、星座のようなコンステレーションとして機能する。2機体制で5日程度の再訪性を保つことにより、農地の生育や災害後の変化を時系列で追いやすくしている。

MSIをサービスとして動かす設計

Sentinel-2Cの設計判断で重要なのは、衛星単体の性能よりもコンステレーションとしての時間間隔である。A/B/C/Dの世代交代を通じて観測時刻、バンド、処理レベルをそろえることで、農業や森林の時系列解析を壊さない。

13バンドのMSIは、赤縁バンドを含むことで植生の状態を細かく読む。10 mバンドで地物の形を捉え、20 mバンドで植生・水分・焼失域を解析し、60 mバンドで大気補正を支える。解像度を分ける設計は、データ量と解析価値の現実的な折り合いである。

広い幅を正確に使うための地上系

290 kmの広い観測幅は、画像を撮るだけなら魅力的だが、幾何補正、雲判定、大気補正、タイル化、配信が追いつかなければ実用データにならない。Sentinel-2CはCopernicusの標準プロダクト処理へ入ることで、広い画像を比較可能な地理データに変える。

後継機としてのC号機では、A/Bと同じ利用者体験を保つことも設計要求になる。研究者や行政の処理コード、農業監視の閾値、災害時のワークフローが急に変わらないことが、コンステレーション衛星としての品質である。

サービス継続のための後継設計

Sentinel-2Cは、衛星名が変わっても利用者側の解析を止めないことが重要である。農業監視、森林変化、洪水把握では、データ形式と配信の継続性が実用性能になる。C号機は、MSIの観測とCopernicus地上処理を同じサービスとして保つ後継設計である。

08関連文献

Sentinel-2C単体の運用情報はESA/Copernicus一次資料で確認し、科学利用はSentinel-2系列の査読論文へ接続する。ここでは諸元とデータ利用入口を一次資料として置く。

  • ESA Sentinel-2 mission page
    打上げ日、13バンド、10 m、290 km、5日再訪を確認。 · ESA
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